JSCRS(日本白内障屈折矯正手術学会)レーシック情報

JSCRSの調査発表

国内でのレーシックの現状はどうなっているのでしょうか?

昨今の消費者庁からの注意喚起の影響もあり、レーシックの手術件数は減少傾向にありますが、今でも年間数万件の手術が行われていて、眼科の中では最も多く行われる術式の一つです。症例選択を誤らなければ、長期的な観点からも安全性や有効性が高いので、最も確立された手技の一つと考えられます。眼鏡やコンタクトレンズから開放されることは、患者さんの日常生活を考える上でとても重要なことだと考えられます。しかしながら、これまで日本国内でのレーシック手術の実態は包括的に把握されていませんでした。そこで、学会主導による正確な実態把握を行うことを目的として、JSCRSワーキンググループでは、2013年1~12月に行ったレーシックなどの屈折矯正手術の手術件数やその安全性、有効性、予測性、安定性、合併症、満足度についてアンケート調査を行いました。国内で屈折矯正手術を行っている75施設に対して施設毎にアンケート書面を郵送にて依頼し、その中で45施設(60%)から回答を得ました。これは、国内で初めて施行した学会主導による大規模調査となります。

レーシックは本当に安全で有効な手術なのでしょうか?

学会の調査結果からわかったこと

アンケート調査の結果から、これらの施設で行われた2013年のレーシック手術件数は総計71089件であり、屈折矯正手術全体の94.8%を占めていました。裸眼視力1.0以上の症例が96%、矯正視力1.0以上の症例が99%、予測性が±0.5D, ±1.0D以内の症例がそれぞれ93.98%でした。屈折変動が1.0D 以内の症例が97%であり、手術に満足と回答した症例が85%でした。術中・術後合併症としては、フラップ作製不良3眼(0.0%)、フラップの皺792眼(1.1%)、フラップ偏位4眼(0.0%)、照射ずれ1眼(0.0%)、層間混濁5眼(0.0%)、DLK 404眼(0.6%)、epithelial ingrowth 139眼(0.2%)、keratectasia 2眼(0.0%)、ステロイド緑内障3眼(0.0%)、症状の強いドライアイ 862眼(1.2%)であり、追加手術は1819眼(0.23%)に行われました。感染症の発症は一例も認められませんでした。以上の結果から、国内で行われたレーシックの安全性や有効性は高く、患者満足度も高い優れた術式の一つと考えられることが、2014年7月の第29回JSCRS学術総会(福岡)において「屈折矯正手術アンケート調査」として報告されました。今後さらにレーシックの詳細なデータを解析する予定です。

アンケート調査の結果

レーシックは世界的にも一般的な手術なのでしょうか?

レーシックは海外でも一般的に行なわれており、NASAやアメリカ空軍で、視力矯正手段として2007年から認められています*
過去のメタアナリシス1**によれば、レーシックでは97%の患者が裸眼視力0.5以上、62%の患者が裸眼視力1.0を達成したことが分かっています。

また、レーシックに関する世界中からの学術報告を解析した研究の結果が、眼科専門領域で最も権威のある雑誌の一つOphthalmologyで2009年に報告されています1

この研究は、1988~2008年に世界で発表された2915件の関連論文から、信頼性の高い研究309件を選択しておこなったシステマティック・レビュー(systematic review)2***です。その結果、全体的な満足度の調査では、平均で患者の95.4%(文献により範囲は87.2%-100%)がレーシックの結果に満足していたことがわかり、レーシックは他の手術と比較して、一般的に高い満足度をえることができる手術であるとの結論を報告しました。

注釈

*
詳しくはNASAやアメリカ空軍のサイトをご覧ください。
**
メタアナリシス(meta-analysis):複数の研究結果を統合し、分析するための手法で、根拠に基づいた医療(EBM:Evidence based medicine)において、最も質の高い根拠とされる。
***
システマティック・レビュー(systematic review):文献をくまなく調査し、質の高い研究のデータを、データの偏りを限りなく除き、分析を行うもので、根拠に基づいた医療(EBM:Evidence based medicine)で用いるための情報の収集と吟味の部分を担う調査です。

文献

  • Bailey MD, Zadnik K. Outcomes of LASIK for myopia with FDA-approved lasers. Cornea 2007;26:246 ‒54.
  • Solomon KD, Fernández de Castro LE, Sandoval HP, Biber JM, Gr oat B, Neff KD, Ying MS, French JW, Donnenfeld ED, Lindstrom RL; Joint LASIK Study Task Force. LASIK world literature review: quality of life and patient satisfaction. Ophthalmology. 2009 Apr;116(4):691-701.

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